洋服仕立て職人はどこにもぐったか。
洋裁時代の先輩から電話。二人ともすでに洋裁の仕事はしていない。いまや、注文服の洋裁店はほぼ絶滅状態。服の注文をする人が激減(ほとんどいない)のうえに、経営者、職人共に高齢化でほぼ全滅だ。私が先輩と知り合ったころは、下降線を下りつつもまだまだ華やかなものだった。心斎橋のお店にいたころは一着何十万もする服の注文が山積みになっていた。わたしが、ひとりで家の二階で仕事をするようになっても高級品はそんなに注文はなかったが、それなりに忙しかった。変わってしまったのだ。人々の洋服にたいする感覚が。お金持ちは、オーダーするより高級プレタに行ってしまった。話を変えてパリのオートクチュールにしても、いまやプレタや既製品を抜いては経営はなりたたないだろう。あちらは何百万円の服。注文できるのは、ハリウッドの女優かどこかの大統領夫人、アラブのお姫さまくらい。つまり、顧客の絶対数がないのだ。まあ、パリのオートクチュールとくらべるのはおそれおおいが、まあ程度の差こそありみんな同じようなものだ。それにしても、あんなにいた仕立て職人たちはどこへ行ってしまったのか。仕事をすっかりやめてわたしみたいに、自分の服だけ縫っているのかしら。それとも、プレタを縫っているのかしら。プレタはほとんど中国がやってるしね。とにかく、どこにもぐってしまったのでしょう。